【剣盾ダブル】湿原エースの検討【シリーズ7レギュレーション用】
目次
はじめに
シーズン12のダブルルールでは水の誓い+草の誓いによる湿原でS操作を行う構築を使いました。
今回の記事ではS12で使用した、湿原下で運用するアタッカー(以下湿原エース)の諸候補についてまとめていきます。
↓こちらの記事をふまえた内容となります。
湿原始動役は汎用性の高さを重視して、気合のタスキジュカインと半減実アシレーヌ(ソクノorリンド)としました。以下は残り4匹の考察となります。
湿原とは?
湿原についての仕様はこちら↓
【剣盾S2ダブル】湿原ダイマックス!【最高145位 最終273位】 - 底なし沼の底
湿原の簡単な仕様
1.同じターン中に味方2匹で草の誓いと水の誓いの両方を選ぶことで発動。
2.貼っタターンを含む4ターンの間、相手の場にSを4分の1にする湿原を展開する。
3.最初に打った方の誓いのすぐ後にもう1匹の誓いが続く。つまり2匹目の誓い役に基本的にSは不要。
4.湿原の誓いのタイプは草。威力は150。草タイプ以外が打っても常に一致技として扱われ威力1.5倍となる。
各湿原エースの検討
実際に使用したものを紹介。湿原エースを決める際に重視したのは、いかくに強いこと、ダイジェットや全体技が使えること。
高速湿原エース
リザードン・ファイヤー
炎特殊打点のおかげでメタグロスに対して有効打がある点が魅力。
全体技の熱風とダイジェットになる飛行技のおかげでダイマ非ダイマどちらでも運用可能で、試合展開に応じて臨機応変にダイマを切っていくことができます。
リザードンの方は原種ファイヤーと似たような性能で耐久火力ともに下回りますが、こちらはキョダイゴクエンを持ち、サンパワーで相手の晴れに便乗できる点が優秀です。基本的にはファイヤー、バナコーを強く意識するならリザードンがよいでしょう。
性格は、リザードンの場合特化珠ダイアース(熱砂の大地)でぎりぎりダイマジュラルドン確1のため、このラインを意識するならひかえめ、しないなら臆病となります。
化身ボルトロス
まけんきが便利。
湿原に対して先発に置かれやすいエレキネット、凍える風等のS操作やガオガエンのいかくを利用することができます。同じく湿原に対して先発に置かれやすいドラパルトのメインウェポンも利用可能。
サンダーと比較すると、炎打点を持たない点がネック。カミツルギへの打点に欠けるため少し選出が窮屈になります。
この他、ダイマックスしたゴリランダーを突破する手段を持たない点も地味ながら大きなサンダーとの違いです。この点は湿原が貼れなかった際の切り返し性能にかかわってきます。
ジュカインを湿原の始動要員に用いる場合、ゴリランダーと対面した時、湿原組はファストガード+隣の水枠によるこご風でS操作を行うのが定石(アシレーヌの場合はミストフィールドなども)なのですが、この時ゴリランダーがグラススライダーしか草技を持っていない場合、ジュカインのファスガを読んでキョダイマックスしコランダでアシレーヌを処理してくる場合があるのです。
サンダーならばそのまま死に出しジェットで切り返しが可能ですが、化身ボルトの場合はゴリランダーを処理できる湿原エース(リザードンやファイヤーなど)を別に用意しておく必要があります。
また、耐久が低めな点にも注意が必要。
確かにドラパルトのメインウェポンを受ければ火力は上がりますが、無振りでは手助け+珠や弱保発動時の一致ダイマ技を耐えることができません。
S12(下記の構築)ではダイマ状態でそれらを耐えるH実数値177のチョッキ個体を用いましたが、耐久ラインについてはまだ検討の余地があります。
レジドラゴ
全体技にして高威力、破格の性能を持つドラゴンエナジーが打てます。特化眼鏡ならガオガエンもダブルダメージ状態でさえ確1です。隣のジェットでSを補強しながら打つのが理想。耐久もそこそこあり、ニンフィア強化版のような使い方ができます。
しかし湿原が切れた後や、不意打ちを持つウーラオス、エナジーを半減してくるレヒレ入りに対しての弱さが少し気になりました。選出段階で考慮すべきことが多く、少し扱いづらめ。
性能は十分以上ですが、環境の潮流がドラゴを自然に外へ押し流すよう動いている印象です。
ボルトロスと同様威嚇の効かない物理アタッカーとして投入。
悪技を一致で使えるのがポイントで、クレセリアやサマヨールが湿原展開後にトリルによる切り返しを行ってくるのを阻止できる点が有用でした。
ダイアークの追加効果はDダウンと、このポケモン自身とは相性が悪いですが、隣がアシレーヌやレジドラゴならそれも有効活用できます。
しかし一致のダイマ技でS操作ができない関係で、湿原が切れた後の性能が微妙な点が気にかかりました。湿原を維持したまま試合を終えられることはそう多くはないため、ダイマはジェットや最低でもスチルアースの使い手に切りたいというのがやはり本音です。
実は「レジドラゴとキリキザンの2匹が湿原ターンを十分に残しながら並ぶ」状況自体が結構マレなことなので、「ダイアーク+特殊全体技」の強さにも少し疑問符がつくところ。
ウーラオス(いちげきのかた)
特性のおかげで守るで湿原ターンを稼がれにくい点が優秀。暗黒強打の通りのよさから対面2匹へ等倍以上を取りやすく、サイドチェンジに強めな点も長所でしょう。
威嚇もごまかしやすいため、単純にダイジェット使いとともに先発で起用してもそれなりに強く、湿原が通せない場合の裏選出要員としても使えます。
しかし持ち物に何を渡すかが問題。ジュカインに襷を回しているためこれを回せません。こだわりアイテムとの相性のよさもこのポケモンの魅力ですが、先発で動かす際には少し邪魔になってきます。
S12では黒い眼鏡、バコウの実、ヨプの実などを持たせましたが、もっと適した持ち物があるかも。
対トリル枠
岩雪崩、地震などの全体技を持つこと、そしてS実数値を最遅60族ぬかれ兼湿原下ドラパルト抜きである54~57の間に調整することで、湿原エースと対トリル要員との両方の役割を担うことができる点が魅力です。
Sについては調整が楽なのはS個体値31のものをそのまま勇敢にすればよい実数値54ですが、1ダイジェットで無振りバンギのS+2以上となる56~57も便利です。
シーズン12上位レート帯ではトリルエースとしてブリザポス、コータス、レジロックが多く用いられていました。ドサイドンはこれらに対して一致弱点を突くことができるため、今後もこの流行が変わらない限りは安定した性能を発揮できるものと思われます。
特にレジロックに対しては相手の弱点保険起動に主に用いられる地ならしに便乗でき、タイプ相性も有利のため戦いやすい相手です。
ブリザポス
ABDを上げるダイマックス技を持つためダイマ時の性能が高く、特性によって威嚇にある程度強い点も魅力的です。
半面、素早さが湿原込みでも遅めで、使用時には相手にトリルを行わない選出で来られてブリザポスが腐り気味になる、といった状況に陥ることもしばしばでした。
ダイジェットととも噛み合いがよくないので、ダイアース、ダイスチル等をメインに据えた湿原エースとともに用いるのがよいのかも。
使用構築
最初はレジドラゴを中心に、ジュカイン/アシレーヌ/レジドラゴ/化身ボルトロス/キリキザン/ドサイドンの6匹。
最終的には化身ボルトメインに組み上げ、使いづらかったドラゴを外し、新たな全体攻撃技枠としてリザードンを投入、ジュカイン/アシレーヌ/リザードン/化身ボルトロス/一撃ウーラオス/ドサイドンの6匹となりました。
詳しい調整
ジュカイン
おくびょうCS@タスキ
アシレーヌ
ひかえめH252、B156、C100@リンドのみ
・ドリュウズの陽気珠ダイアース(地震)確定耐え
化身ボルト
いじっぱりHA180、S100@チョッキ
・ドラパルトの+2特化ダイホロウ(ゴーストダイブ)確定耐え
・最速ホルードのS+1
ドサイドン
ゆうかんHA、S実数値54@じゃくてんほけん
・湿原状態で最速ドラパルト抜き
・最遅60族のS-4
ウーラオス悪
いじっぱりAS@黒い眼鏡
構築の所感
なかなか湿原が展開できない。これにつきます。
レジエレキ、ゴリランダー、硬いトリックルーム使いなど、湿原組を先発に置きづらいパーティが多く、湿原を展開できる試合自体が少ないのが課題。
確かにゴリランダーはミストフィールド+ファスガである程度誤魔化せはするものの、ウッドハンマーを持たれていたり、ゴリラの隣がアシレーヌへダイジェットしてきたりすると一巻の終わりです。
トリル入りはそもそも湿原なしでも上を取れていることが多いため問題ないとしても、ゴリラエレキに弱いのは大きな欠点といえます。使用率最上位の2匹であり、湿原の最大のメタ対象たるおいかぜ使いと組まれていることも多いためです。この2匹を踏み越えて湿原を展開できる組み合わせの確立こそが今後の課題となるでしょう。
レジエレキの流行を鑑みて、最終日は襷インテレオン、バコウゴリランダーなどの単体性能の高い湿原組を採用して、ダイマしたボルトロスやドラパルトとともに湿原組の片方を先発させダイマ退場後に後発から湿原を展開する並びなどを使っていましたが、まるで決まらず逆に300位から大きく順位を落としてしまいました。最終順位は1700位くらい。
S12で使用した湿原エースのうち、特に化身ボルト、リザードン、ドサイドンの3匹は使い勝手がよかったので、これはそのままに、残り3枠で湿原をうまく展開できるようにしたいところです。
<おわりあま。