【SVシングルシーズン10・最終レート1780】役割論理的見地に基づくヤドロクツキ、ヤヤネイヌ、ヒスイヤレベースに関する一考察
目次
時間がない時は基本選出だけ読めばやk
1.使用構築
昨シーズン使用した構築の改良を目指した。
※昨シーズンの使用構築
【SVシングル・シーズン9】チョッキチョッキヤバコプリィィィィwwwwwwww【最終レート1794】 - サンプル騎士団(公式)
2.構築経緯
昨シーズンの構築のテーマを引き継いでいる。ディンルーに強く出られるヤダイトウ♀をメインに据えたヤーティである。
シーズン9の課題としてゴーカイディンルーカミパオウーラ通称BIG6やデカロクと呼ばれる流行の構築に対して広く見ることが難しく、いずれかを切った選出をしなければならないという欠陥への対応があった。
そこで、パオジアンピンポイントでの選出となっていた炎ケンタロスを外し、新たにカイリューとパオジアンの両方に役割が持てるヤレベースを投入し、ヤダイトウ♀+ヤレベース+ヤバコイルの3匹による基本選出を構築の始点とした。
ヤバコ、ヤダイトウはテラスタルを切る必要がなくヤレベースへテラス権を回せることから、ヤレベースは原種ではなくより攻撃性能の高いヒスイの姿としている。
残り3体に求められる要素は以下の通りとなる。(重要そうなものを赤字表記)
・対イーユイ
・対イダイトウ♂
・対炎、岩オーガポン
・対キラフロル(体感数を増やしていたため可能ならば対策したかった)
・鉢巻枠(いちおう珠も余っている)
・できる限り地面・格闘に強く
・ヤバコイルの過労死防止のためハバカミツツミに強いヤケを優先
・基本選出がサフゴに薄いため選出画面で牽制できるのが理想
対イーユイ・イダイトウ♂枠として当初はヤザンドラを使っていたが、ハバタクカミを後投げされて崩されがちだったので今回はより決定力を呼びにくいヤドロクツキを優先させた。
残る各種オーガポン対策について、まず岩に対してはキラフロルが撒いてくるどくびし解除も兼ねヤヤネイヌを当てた。
炎に対してはオーガポン実装直後はヤーマンダを使用していたが、ハバタクカミ+炎オーガポンの組み合わせに対して山田ヤバコではサイクル負けしてしまうため、無理に受け出すのではなく双方に勝てるヤケを複数選出することで誤魔化す方針とした。
具体的には炎テラスヤドロクツキ、ヤンドロス、ヤヤネイヌ等で殴り勝つことを考え、最後の1枠はヤンドロスとしている。
持ち物配分について、構築段階ではヤヤネイヌはサーフゴー後出しにリスクを付けさせたかったため達人の帯か鉢巻が確定しており、宿六・ヤンドロスはなんでもよかったのだが、ヤドロクツキがヤンドより数値受けを呼びがちでここに鉢巻の火力を合わせたかったため残りをヤヤネイヌ帯、ヤンドゴツメとして構築が完成した。
3.おもな選出
①ヤダイトウ♀+ヤバコイル+ヒスイヤレベース
頼りなさを感じるが一応基本選出。
ヤダイトウで先発に来やすいウーラオスやカバディンルー等を処理し、物理はヤレベ、特殊はヤバコイルで対応していく。
ヤダイトウがステロ撒きを妨害し、ヒスイヤレベースの頑丈を維持できるため、相手がカミツツミの両方を選出してヤバコが過労死しても対応しやすい。
選出で迷った際は、相手の選出ミス(特性頑丈に見えるヤバコヤレベを警戒してステロ要員やウーラオスを選出する、トドロクツキを恐れてサフゴの選出を控え、イダイトウに弱い物理数値受けを選出するなど)に賭けてこの選出をしていた。
②ヤヤネイヌ+ヤバコイル+ヤドロクツキ
受けサイクルへはヤヤネイヌかヤドロクツキを通す。
ヤヤネイヌで物理受けにダメージを蓄積させツキの一貫を作るような立ち回りをしていく。
ヤドロクツキを受けるために相手がフェアリーテラスを切るのであれば、ヤヤネイヌのダストシュートが通るようになりそれはそれで問題なし。
4.個別紹介
今月(2023年10月)末に昇降格議論があるため、落第生(現環境においてヤケモンとして十分な力がないポケモン)・新規候補のヤケモンにはおまけとしてヤケモン化への展望を記載した。
イダイトウ♀
持ち物:こだわり眼鏡
テラスタイプ:フェアリー
努力値:ひかえめ (C↑A↓) H76 B180 C252
技:ハイドロポンプ、シャドーボール、なみのり、テラバースト
詳しい説明は昨シーズンの構築記事を参照されたし。
昨シーズンに比べ鉢巻ウーラオスが減ったため動きやすくなった。
炎オーガポンとの対面は相手視点タスキ考慮でテラスタルしてこない可能性があるため居座ってドロポンも視野に入る。
ジバコイル
持ち物:とつげきチョッキ
テラスタイプ:水
努力値:ひかえめ (C↑A↓) HC252 B4
技:かみなり、ボルチェン、ラスカノ、テラバースト
詳しい説明は昨シーズンの構築記事を参照されたし。
オーガポン炎の追加、およびディンルーが減りガブ(初手で使い捨ててくる地面ではなく裏に控える地面タイプ)が増えたことにより動きづらくなった。
オーガポンを対面処理したりランドロスへ役割破壊を仕掛けるために水テラスタルとしたがあまり出番なし。
シャドーボールに強くするためにノーマルを使うか、あるいはフェアリーに戻すか
霊獣ランドロス
持ち物:ゴツゴツメット
テラスタイプ:飛行
努力値:いじっぱり(A↑C↓) H244 A252 BDS4
技:地震、ストーンエッジ、とんぼ返り、テラバースト
詳しい説明は昨シーズンの構築記事を参照されたし。
鉢巻を宿六に持っていかれたため、ゴツメを装備させた。カイリューの神速等を想定している。
テラスタイプは個体を用意できなかったので飛行としたが、ガブリアスを止めるフェアリーテラバの方がよかったかもしれない。
ヒスイクレベース
持ち物:いかさまダイス
テラスタイプ:フェアリー
努力値:いじっぱり(A↑C↓) H252 A252 B4
技:つららばり、ロックブラスト、じしん、テラバースト
ヤダイトウ♀、ヤバコイルとともに基本選出を構成する。ちなみにヤスイヤレベースではなくヒスイヤレベースである。
テラス前提だが役割対象はカイリュー、パオジアン、ランドロス、ミミッキュ、ガブリアス、セグレイブなどで物理を広く相手できる。ロクブラとつらら針を持つため炎や岩のオーガポンにも強め。岩は体感はたき落とすを食らいがちのため安定しないが。
タスキ率の高いパオジアンやマルスケカイリューを相手してもらいたいため、一致技はつららばりロクブラをまず採用し持ち物はいかさまダイスとした。この他の技はサーフゴーへの打点として地震、ウーラオスへの打点としてテラバーストを選んでいる。
テラスタイプは聖剣・インファ半減とテラバーストに期待してフェアリーとしている。その他候補として聖剣等倍かつ氷柱落とし半減を維持できる水・炎があったのだが、前者はパオジアンの電気テラスに突破されること、後者はカイリューの地震がさすがに厳しいことから氷柱半減はあきらめ最も無難なタイプを選んだ。
イダイトウによってステロを抑制できるため、上記役割対象の他、選出に迷った際はがんじょうに期待してヤレベースを連れて行くことが多かった。
<ヤケモン化への展望>
現在、論理wikiでのこのポケモンの評価は落第生となっている。2023年8月6日の議論で落とされてしまった。
原種に比べ格闘4倍・地面2倍である欠点が大きく、この耐性ではサイクル適正がないと判断されたわけだが、今回のヤーティではテラスタルをこのポケモンに回しやすく、かつヤダイトウが地面・格闘を流せるため原種より噛み合うと判断して投入に至った。
原種と比較したヒスイの長所として、素のAの高さと一致岩技の存在は大きい。
例えば炎オーガポンに対して、原種ベースではエッジが無振りに対して低乱数1発だが、ヒスイベースならHB振りも高乱1である。テツノツツミイーユイハバタクカミの後投げも牽制できる。
ただ、上記のように攻撃性能は高いものの、これをもってヒスイヤレベースを再度ヤケモン昇格候補とはできないだろう。
耐性が貧弱でかつテラス権を独占するこのヤケモンは、ヤーティ構成を大きく縛ってしまうためやはりヤケモンとしての需要があるとは考えにくい。このポケモンが落第したレギューションDとEとで独自の役割対象が追加されたわけでもない。
残念だが落第生が妥当ではなかろうか。
トドロクツキ
持ち物:こだわり鉢巻
テラスタイプ:ほのお
努力値:いじっぱり(A↑C↓) H244 A252 BDS4
技:はたき落とす、かみくだく、じしん、ストーンエッジ
対イダイトウ♂、イーユイ枠としての投入。
役割対象は上記2体の他、サーフゴー、ドラン、水ロトム、サンダーなど。
タイプ相性的には炎オーガポンに有利だが、じゃれつくを持っていない個体を見たことがないので役割対象としては勘定していない。
上記役割対象の他、ラキラッシャドヒドのような受けサイクル、コータス+ハバカミ、ツキ、オーガポンのような晴れパーティに対してもテラスタル前提で選出していく。
技は最大火力(厳密にはドラゴンダイブが上だが持ち物ありならほぼ同じ)のはたき落とす、サイクル2週目に撃つかみくだく、悪技と併せて広く等倍の取れる地震、サンダー・オーガポンに撃つエッジを採用した。
カイリュー、ディンルー、頑丈持ちなどとの偶発対面警戒で蜻蛉も欲しかったが、あまりツキを先発に投げないので上4つを優先させている。変えるならエッジが最も撃つ機会が少ないのでそこか。
テラスタイプは晴れ展開に対して強く出られる炎としている。ハバタクカミを対面処理した後イダイトウ♂のアクジェ圏内に入りやすくなってしまうのが玉に瑕だが、2匹の型次第ではムンフォ+アクジェを耐えられる。
立ち回りとしては、主に有利対面を作って一貫性の高いはたきを撃つのが基本だが、サンダー対面に限っては相手視点宿六が役割対象に見えているのか居座ってくるため素直にエッジを押すようにしていた。
パオジアンと対面した際は、なぜか氷技以外の技を撃たれることがなかったのでヤレベースに引いていた。聖剣を撃たないのは飛行テラス警戒か、あるいは先発に投げるパオジアンは聖剣を抜いているのだろうか。
ヤザンドラと比較した際の強みとして、ハバタクカミを呼ばない点は明確に魅力である。もちろん代わりにヘイラッシャ等の物理数値受けは呼ぶもののカミよりは対処しやすいため気にならなかった。
<ヤケモン化への展望>
2023年10月現在、論理wikiでのこのポケモンの評価はヒスイヤレベースと同様に落第生となっている。2023年6月4日に落第した。
ヤンギラスと役割が被りより狭い範囲しか相手ができない、メインウェポンがドラゴンダイブと噛み砕くではサザンに比べて崩し性能が低すぎるというのが当時の結論であった。
要するに役割範囲でヤンギに劣り、攻撃性能でヤザンに劣るという評価だったわけだが、イダイトウ♂の増加によりヤンギラスにはない役割範囲を獲得したこと、はたき落とすの習得によって攻撃性能が伸びたことから上記の欠点は若干ながら改善傾向にある。上の結論は再考してもよいように思う。
その際問題となるのは「何を確定技とするか」かもしれない。
はたき習得直後より論理wikiでは「竜技なしのヤドロクツキ」が提唱されてきた。
ドラゴンダイブ不要論の主な論旨は以下の通りである。
◆ダイブ不要論
・ダイブとアイテム有り叩きとで威力差が小さい(威力差5)
→はたき落とすという新しい最大火力の登場
・ダイブは抜群を取りにくい竜技であり、素早さ()の高いツキの性質上を竜を呼ぶこともないためなおさら弱点を突きにくい
・ロトムも落とせない程火力が中途半端で遂行に使いにくく、明確にダイブが要求される相手が現状いない
・竜と悪が範囲被り気味で悪受けにはサブウェポンで負担を与えることが可能
→宿六が使うダイブの性能への疑問視
今回はそうしたダイブ不要論を受け、最大火力をはたき一本に絞ったヤドロクツキを使用してみた。
ヤドロクツキは覚えさせたい技が多いヤケモンで、打ちどころが少ないダイブより他の技を優先させたいことは確かに多く、実用性は感じた。
優先させたい技としては例えばヘイラッシャやアーマーガアに撃つテラバースト電気・炎、ディンルー入りへダメージを与えつつサイクルを回す蜻蛉帰り、ブーストエナジーを持たせるのなら地震と合わせて広範囲を射程に入れられるアクロバット、テラスタル必須だが壁対策となりえる瓦割りなどが考えられる。
ただ役割論理はありていに言えば実用性が全てではないので、ダイブ抜きの型が強いからといってwikiで大々的に認めるかどうかはまた別の話だろう。
ロジカル神学者たちの研究と議論が待たれるところである。それもヤドロクツキが昇格した後に、さらに余裕があれば、の話だが。
ヤヤネイヌ
持ち物:達人の帯
テラスタイプ:飛行
努力値:いじっぱり(A↑C↓) H252 A252 B4
技:ダストシュート、インファイト、はたき落とす、冷凍パンツ
最大の役割対象は岩オーガポン。その他ディンルー、ゴリランダー、キノガッサ、マスカーニャ、テツノブジンなど。
どくびし回収を目的にキラフロル入りに投げたり技範囲を活かして受けサイクルにも投げていく。
技構成は一致2つとサーフゴーに打点の取れるはたきが確定。ガブランドに撃つ冷パン、ドヒドイデに撃てるサイコファングは両方有用で甲乙つけがたかったが壁構築が環境にいないため最終的に冷パンを優先させた。
テラスタイプは飛行を採用した。ランド対面時、地震で殴ってくるのを返り討ちにするためのテラスタイプとなる。地面半減かつ飛行が抜群でないタイプがこれしかないため一択。一応ヘイラッシャの地割れも躱せる。
<ヤケモン化への展望>
この新規ヤケモン候補はヤツノカイナと比較されがちなため、以下ヤツノカイナとの違いから使用感を述べる。
ヤツノカイナとの大きな違いは特性の番犬である。これによってランドロスの後投げ、およびそこから生じうる蜻蛉でハバカミ降臨といった隙を減らすことができる。
高威力の一致技を2つ持つ点も魅力であり、例えばヘイラッシャにフェアリーテラスを切られてしまうとテツノカイナでは崩せなくなってしまうが、イイネイヌであればもう一方のダストシュートで突破することが可能である。
また、これは論理的な強みとは言えないものの、対面からパオジアンサフゴ炎オーガポンハバカミツツミミミッキュイーユイ等を相手でき、岩オーガポンが選出されていなくとも腐りにくい。カイナと比べると対面限定で勝てるボケモンとして追加でハバタクカミが入っているような形。
この他カイナにない強みとしては面倒な異教徒戦術を無理なく対策可能である点が挙げられる。
例えば、キラフロルには勝てないもののどくびし撤去+ステロ半減のため、上述の勝てる相手の広さも相まってキラフロル入りのボーティには基本的に出しやすい。
この他、壁をサイコファングで割りに行くこともできる。現状壁構築はほぼ切ってもいい使用率だが、アローラキュウコンが解禁されるレギュレーションEなら活躍が期待できるのではないだろうか。
持ち物が達人の帯で済み、安い点も強みと言えるか。
まとめると
・岩オーガポンにある程度安定し、
・広い範囲に勝てるので選出しやすく、
・どくびし、壁などの使用率そこそこの異教徒戦術を取りこぼさず、
・持ち物が安い
といった具合でヤーティの補完として枠を割くに値する性能があると見た。
ただパオジアンに役割を持てないのは事実なので、他の優秀な格闘ヤケモンとの競合は依然として問題である。ヤツノカイナ・各種ヤンタロスを差し置いてこのヤケが必要となる強いヤーティが存在しうるかどうかは今後の他の論者らの研究に任せたい。
5.戦績
最終順位は2605位、最終レートは1780。
昨シーズンのヤーティの改良を目指したものの、レートには結びつかなかった。
まず原因として、純粋に対戦数が少なく、このヤーティの立ち回りを詰め切れていなかった。
また構築経緯では炎オーガポンに対して対面処理ぎみに対応する、と書いたが、流行の炎オーガポンに対して後出しが効かないヤーティはさすがに厳しかった。
炎オーガポンに対して安定する炎ヤンタロスを投入したり、ヤーマンダをカミ後出しを咎めるアイへを覚えさせつつ再度加える(択ゲーとなることはある程度諦める)ことなどを検討すべき気がしている。
6.おまけ ~ヤヤネイヌのどくのくさりについて~
3割は必然力の範囲外なのでゴミですなwwwwww
断じてありえないwwwwww
のだが、ありえないとは思いつつ毒の鎖の方も使用した。
回復技で粘ってくる相手には刺さる、と言える。
瞑想地下水で両受けしようとしてくるヤバソチャや受けに出てくるゴツメカイリューヘイラッシャなどを毒にでき、一定の活躍はした。輝石カミッチュには遭遇しなかったがこれにも効いたであろう。
必然力の範囲外なので考察するには値しないことであるが、岩オーガポンを毒にし頑丈を貫通して即死させられるのも余計な被弾を避けられるため評価点。
とはいえランドがちょくちょく受けにくるため、番犬も役に立つ機会があり実用性は現時点では番犬が上と見ている。
たらればはありえないものの、今後かちきミロカロスやアローラキュウコン、まけんき草オーガポンの流行等でランドが失墜し、かつどく以外のテラスタイプの輝石カミッチュやヤバソチャが爆増、あるいはポリ2が解禁されるようなことがあれば考慮には値する(かもしれない)。
こちらも今後の他の論者らの開拓に任せたい。
7.おわりに
サムネイルのトレーナーカード作成ツールは下記のサイトのものを使用した。