【剣盾ダブルS4】伝説のあまかじマウンテン【最高223位・最終3255位】
目次
時間がない時は使用構築、戦術・選出のキホン、アマカジまとめだけ読めばやk
使用構築
異教徒の気持ちを知るシリーズその6。
テーマは「アマカジやその進化系(以下アマカジ族と呼称)を、無理なく、かつ2匹以上、基本選出に組み込む」こと。
戦術・選出のキホン
その1 がむしゃらマイコルート
先発キョダイセキタンザン+ハリーセン
1:セキタンザンのキョダイフンセキやハリーセンのどくびし
2:アママイコの襷がむしゃら+フンセキや毒で相手を処理していく
3:相手がトリックルームで返してきそうならアマカジで誤魔化す
その2 対トリルルート
先発ジュラルドン+アママイコ
1:アママイコ(orアマカジ)の手助け+ジュラルドンのダイマックス技で相手のトリル役を突破
2:トリルが通ってしまった場合は、アマカジでトリルエースの上を取って妨害
構築経緯
惨劇の新世代ソード&シールド
8世代では各ポケモンの覚える技に大幅な変更が加えられました。アマカジ族の習得技の代表的な変化としては以下のものが挙げられます。
+こらえるの習得
+アロマセラピーの習得
-フェイント没収
-なやみのタネ没収
-くさぶえ没収(技じたいが削除)
7世代におけるアマカジ族の技についてはこちら↓。
7世代におけるアマカジ族の考察についてはこちら↓
【USUMムーンルール】夢のあまかじライフ【INC使用構築】 - みまもりたちの墓場
フェイントはグラススライダーを除いて、アマカジ達の唯一の先制技。これを失ったのが8世代最大の打撃です。
アマージョはともかく、ステータスの低いアマカジアママイコにとって、がむしゃらフェイントは生命線に近い技だったのです。
この他、世代移行に伴う変化によってアマカジ族が受けた特筆すべき打撃は、モロバレルのリストラでしょう。相性的に圧倒的不利を取り、ともすると天敵のようにも見えますが、アマカジ族は特性スイートべールによってキノコの胞子を無効化でき、さらに草タイプであるおかげで怒りの粉を無視して攻撃できます。むしろモロバレルは最大の仮想敵たりえました。
このように剣盾では、がむしゃら+フェイントや草笛が行えなくなったことによる単体性能の低下、モロバレルがリストラされたことによる仮想敵の不在により、アマカジ・アママイコを基本選出に組み込む意義をあらためて問い直す必要が生まれたと言えるでしょう。
基本選出ができるまで
とはいえアマカジ、アママイコができることは結局のところさして多くありません。
・がむしゃら
・手助け
・スイートベール
カジマイコを運用するならば、この3つをうまく使うことが必要となってくるでしょう。
がむしゃらを活かすことを考えた時、考えられるアプローチとしては
1.先発にアママイコを繰り出し、がむしゃらで削ったところを自信過剰の起点にする。
2.控えにアママイコを置き、砂や毒等のターン終了時の定数ダメージとがむしゃらとで相手の後続を削りきる。
この2つがあります。
1つ目の案はアママイコのS操作技がローキックしかなくエルフーンの劣化となることが避けられなかったため、2つ目の案が現実的です。
このように考えた時、ターン終了時の定数ダメージを、アママイコの襷を削らない形で後続にも展開できるキョダイリザードンとキョダイセキタンザンが最大の候補として上がってきました。最終的にはアマージョとの相性補完に優れる点や、ウインディ等の炎タイプに対して定数ダメージが与えられる点を重視してセキタンザン採用です。こうして先発キョダイセキタンザン+じゃくてんほけん起動役、控えにアマカジ族×2の基本選出が定まりました。
ちなみに、どくびしを展開できるキョダイマックスポケモンがいればそれが理想でしたが、残念ながら不在でした。
弱保起動役
「先発セキタンザンでフンセキを撒き、がむしゃらアママイコで詰めていく」ルートの課題は下記の通り。
1.キョダイフンセキの定数ダメージは使用しタターンを含めて4ターンしかもたないため、その前に決着をつけるorフンセキ以外の定数ダメージソースを確保する。
2.セキタンザン+弱保起動役になるべく広い範囲と撃ちあえる性能を持たせる。
4ターン以内の決着は現実的ではないように思われたため、後者を選んだわけですが、この時点で弱保起動役はどくびしと水技を両立できるアギルダーかハリーセンかの2択となります。
最終的には、バンドリや、なみのりによってこの指とまれ持ち()に対して強く出られるシュカの実ハリーセンを選択しました。
裏選出ができるまで
上記の基本選出で対応できないのはトリパ(などの面々)です。
これらに対する選出としてジュラルドンを採用しました。
ジュラルドンによるトリル対策はメジャーであり、スカーフバタフリーによる眠り粉や半減実、ねこだましなどによって強引にトリルを押し通してくることが予想されましたが、アマカジおよびアママイコならばスイートベールで催眠を無効にでき、手助けによって半減実、猫だましを貫通できるため、ジュラルドンの相方として最良の働きをすることができます。
個別解説(緑字は改良の余地アリ)
選出数、選出率は全63試合のうち記録の残っている59試合で計算しています。
セキタンザン(キョダイマックス個体)
<すごく…大きいです…
持ち物:じゃくてんほけん
特性:じょうききかん
努力値:いじっぱり(A↑C↓) H36 A252 S220
実数値:190-145-140-×-110-78
技:いわなだれ / フレアドライブ / ボディプレス / 守る
ガラル☆ルーキーズの時とは型をガラリと変えて物理型で使用しました。
特殊型の場合、岩技の選択肢が原始の力しかなくキョダイフンセキの火力が大幅に落ちてしまうためです。
すばやさ4倍のセキタンザンはやはり強力で、Sに220まで割くことによって最速すなかきドリュウズまで抜くことができます。
ダブルのセキタンザンは他に優先させたい技も多く、ボディプレスと守るはあまり優先度の高い技ではありませんが、バンドリと初手で対面した場合にバンギラスに向けて打つ技として投入しました。
この2匹と初手で対面した場合、1ターン目にハリーセン:こご風orドリュウズ方向へアクジェ+セキタンザン:ダイウォールでドリュウズの襷を削り、2ターン目にセキタンザンでバンドリのダイマックスした方を叩けば、確実に3ターン目までセキタンザンを生存させることができます。
ガオガエン入りに対して威嚇をリセットすることもでき、セキタンザンを無理やり突っ張らせる立ち回りをすることの多い本構築では地味に役に立つ技です。
ちなみに、けたぐり、ドレインパンチ等の他の格闘技は覚えません。
リザエルフの並びに圧倒的に強く、ラプラスor水ロトム+キッスの組み合わせに対してはダイバーンで水技をやり過ごしてからキョダイフンセキ、ドラパルトに対してもある程度打ち合うことができるなど、バンドリ以外に対しての先発性能はめっぽう高く、これに強くすることで初手に最適のポケモンになったかと思います。
選出数は59戦中56回。勝ち32回、負け24回。
選出率は95%。勝率は57%です。
初手トリルはジュラルドンが抑えてくれるため、中速トリル()に対してはジュラルドンよりこちらを通しに行っていました。
ハリーセン
持ち物:シュカのみ
努力値:ようき(C↓S↑) HS252
実数値:172-100-105-67-75-150(ACの個体値は低い)
技:アクアジェット / なみのり / こごえる風 / どくびし
このポケモンもまた初手セキタンザンを強引に押し通すための型となっています。
弱保起動用の水技がアクアジェットのみの場合、トゲキッス+水タイプの選出の際、この指とまれでアクアジェットを吸われ、セキタンザンが上からダイバーンで耐えるルートが破綻してしまうため、初手セキタンザンルートが不安定になってしまいます。
一方でなみのりのみの構成にもリスクがあり、バンドリ等の水弱点のじゃくてんほけん持ちと先発で鉢合わせた場合、セキタンザンの即死は免れません。
ハリーセンは上4つの技の他、みちづれ、じばく、でんじはなど面白い技を色々と覚えてくれますが、でんじははどくびしがある以上不要であり、自爆は裏に相性補完の優れたアマージョがいる以上打つ場面が少ないと判断し、水技2つを優先させました。
こご風はエルフーン+スカーフウオノラゴンのような初手を警戒して持たせていますが、ほとんど出されることはなかったので挑発などの方がよいかも。
努力値は相手のトゲキッスのダイジェットを考慮し最速を取りつつ、耐久を優先させています。
アマージョとの相性補完に優れており、アクアジェットがアママイコのがむしゃらと相性がよいため、弱保を起動させた後も残しておくと便利です。
選出回数は59戦中48回。うち勝ち29回、負け19回。
選出率は57%、選出時の勝率は60%です。
アマカジ
持ち物:進化の輝石
努力値:のんき(B↑S↓)HB252 D4
実数値:149-x-99-×-59-33 ※S個体値は0
技:がむしゃら / 甘える / 手助け / 守る
対トリル要員のアマカジ。控えその1。
ドサイドン、バンギラス、ガオガエン、パッチラゴン、ウオノラゴンなどのトリル物理エースの下から甘えるを仕掛けていきます。
努力値振りはドサイドンのダイロックを耐えるB特化。HD特化にすると、バタフリーの暴風から生存でき、先発性能を高められるため、ここは一長一短です。挑発は打たれないので、トリル役のゴチルゼル等が打ってくる催眠を警戒して特性はスイートベールを選択しました。
幸いなことにミロカロスの催眠術やトゲキッスのあくびなど、催眠技はトリパ以外でも少なくない数打たれたのでスイートベールが活きる場面も多めでした。
基本的にはジュラルドンとともに選出しますが、いわゆる中速トリル(この辺のメンツ)や晴れトリル(など)といった、トリル以外の勝ち筋を持つ構築に対しては初手にセキタンザンを置きつつ、裏にアマカジを仕込むこともありました。
選出回数は59戦中19回、うち勝ち11回、負け8回。
選出率が32%、選出時の勝率は58%。
単体性能の低さはいかんともしがたく、選出率はパーティ中最下位となってしまいましたが、中速トリパの数の多さゆえにそこそこ出せました。
アママイコ
持ち物:気合のタスキ
特性:スイートベール
努力値:おくびょう(A↓S↑) CS252 ※HBDの個体値は0が理想
実数値:112-x-61-92-54-125 (H個体値0)
技:がむしゃら / 手助け / こらえる / 光の壁
襷枠のアママイコ。控えその2。
襷がむしゃらを円滑に決めるべく、HP個体値0を粘りBDも低めの個体を用意しました。性格がおくびょうなのは単なるミスです。
アママイコの型についてはいくつか候補があり、例えばC特化であればグラスフィールドによる強化込みリーフストームでH振りダイマックスドサイドンを落とすことができます。今回は選出率が高めで不特定多数と戦う必要があることと、放置されやすいこととを考慮して汎用的に隣をサポートできそうな技をチョイスしました。
実は対トリル枠としてもアマカジを差し置いて選出することがあります。
コータス入りのトリル特化構築についてはアマカジ、アマージョがそのまま噴火で葬られてしまうためこちらを繰り出していきます。
選出回数は59戦中39回、うち勝ち20回、負け19回。
選出率が66%、選出時の勝率は51%。
アマージョ
持ち物:マゴのみ
特性:じょおうのいげん
努力値:いじっぱり(A↑C↓) HA252 D4
実数値:179-189-118-x-119-92
技:パワーウィップ / とびひざげり / じゃれつく / 守る
控え要員その3。
相手のねこだましやいたずら心+補助技を牽制するのが主なお仕事。
ハリーセン、セキタンザンとの相性補完に極めて優れるため、オーロンゲ(電磁波が痛い)、ミロカロス(ダイアースで殴り負ける)等のセキタンザンがどうしても引く必要のある相手に対してはこのポケモンで処理してから繰り出しに行くプレイングをすることもありました。
アママイコではどうしようもない後発のドラパルトに打点を持つためじゃれつくを採用しています。
選出回数は59戦中50回、うち勝ち27回、負け23回。
選出率が85%、選出時の勝率は54%。
バンギドリュミロカロスニンフィアと、ダイジェット使い以外のほとんどとある程度殴り合うことができます。とにかく困ったらアマージョを出していたため、選出率は非常に高めです。
ジュラルドン
持ち物:命の珠
努力値:ひかえめ(A↓C↑) H108 C236 S164
実数値:159-x-135-187-70-126
技:流星群 / ラスターカノン / ソーラービーム / 悪の波動
裏選出のダイマックス枠。トリル特化構築に対して選出していきます。
現在のトリル特化構築には、バタフリーの催眠や怒りの粉によって、トリックルームを展開させるか、こちらのダイマックスエースを眠らせるかの2択を迫ってくるものが一定数存在するため、アマカジやアママイコによる催眠阻止+手助けはそれらに対して猛烈に刺さります。
ジュラルドンは手助け+珠ダイアークでこの指とまれを無視しながら大半の輝石サマヨールまでそのまま落とすことができるため、トリル阻止能力は非常に高めです。
Sはアママイコにリーフストームを採用していたころの名残で最速62族()抜きに調整し、残りをHPに振っています。HCに振り切ると遅いウインディにすら上からバークアウトを打たれてしまうので、ある程度振っておく方がよさそうです。
選出回数は59戦中25回、うち勝ち17回、負け8回。
選出率が42%、選出時の勝率は68%。
ジュラルドンかセキタンザンかで初手択になった際はほとんどセキタンザンを優先させていたため、選出率はひかえめ。しかしトリル特化構築に対しては抜群の刺さりを見せてくれました。
戦績・反省点
戦績
最高順位は序盤の223位。最終順位は3255位。
シーズン序盤はリザエルフに連続でマッチングするなど快調でしたが、シーズン後半にはサマヨール入りの中速トリパに不安定な戦いを強いられ、またアマカジやアママイコを選出すべき構築でもジュラルドンを出した方が勝率が高いことに気づいて撤退しました。
アマカジやアママイコの投入が既存の構築を劣化させることにしかなっていないのならば、いかに勝てようが勝利に意味はないと感じています。
3シーズン連続で最終順位がイマイチなのは無念と表現するほかありません。
反省点
襷がむしゃらが効かない相手が多すぎた
1.フンセキのターンを稼がれた後に毒・鋼・飛行タイプを出される
2.バイバニラが後続に控えていて襷が潰れる
3.控えがそもそもドラパルトやミミッキュ
4.後発ダイマックス構築
5.相手がアママイコを放置する
などなど。
7世代の、特に禁伝使用可能ルールではエースである禁伝やメガシンカポケモン達()の全体技使用頻度が非常に高く、その結果アママイコがHP1となる場面も多かったのですが、今作におけるエースは単体攻撃しかできないダイマックスポケモン達であるため、がむしゃらフンセキがなかなか成立しませんでした。
また、がむしゃら自体がそもそもダイマックスに対して効き目が薄い技であるため、決めたところで7世代のようなアドバンテージを得ることができません。襷アママイコにとってはフェイントが消えたこと以上に環境が逆風であったと考えられます。
今後はがむしゃらのみに頼らないアマカジ族の新しい使い方を考えていく必要があると言えそうです。
とはいえ、手助け+スイートベールならよりステータスが高く耐性も優秀なマホイップがいるのですが……。
↑スイートベール+手助けが使えるため、今世代においてはアマカジ族の最大のライバル。
アマカジまとめ
今作でのアマカジおよびアママイコを概観すると次のようになります。
総じて、若干の向かい風と言えるでしょう。
追い風
・新たな選出対象バタフリー始動トリルを得た
・アロマセラピー、こらえるの取得
逆風
・全体攻撃持ちが減り、アマカジ・アママイコのタスキ発動機会が減った。
・がむしゃらで1:1交換できる対象が非ダイマックスに限定されるため、7世代に比べてアドバンテージを得にくい。
・モロバレルのリストラ。
・そもそもフェイントが没収された。
おわりに
記事の不備や構築について分からないことがあったら、ボイッター↓や本記事コメント欄にドシドシどうぞ☆ ちょくちょく巡回してるから頑張って答えるよ☆
また、今回は最遅アマカジ、キョダイセキタンザン、HP個体値0アママイコなどなど、厳選のむつかしいポケモンが大量に使ってある構築だから、構築記事の頭にチームIDを書いといたよ☆ よかったら使ってみてね☆