【シンプルシンフォニー使用構築】クリムガン始動積みサイクル 最終順位79位
異教徒の気持ちを知るシンプルシンフォニー。
1.構築経緯
https://3ds.pokemon-gl.com/competitions/4139/regulation/?status=0
大雑把にいうと、
・単タイプのみのシングルバトル
・幻、禁伝、ヒヒダルマの出場禁止(とくせいで複合タイプになるから?)
・メガストーンは使えない
・対戦数の上限は45戦。それ以上の対戦は行えない。
論者たるもの単タイプはありえないwww(わけではないが、サイクルを回したり火力で崩したりするには有利不利がハッキリしていて一致技を2つ持っている方が都合がよい)ので、ステロ撒き+積みアタッカーの組み合わせを主軸としたパーティを使ってみることにした。
問題は積みアタッカーに何を選ぶかであるが、
・ジャロゴーリ
・エーフィ始動の積み構築。積み要員にデンジュモク、ポリゴンZなど
・オノノクス、ローブシン、ニンフィア等を採用したスタンパ
・どくびし+まもみが
・←これらを用いた数値受けサイクル
・積みアタッカーを止めるスカーフバクフーンやてんねんピクシー
大会開始前はこれらが流行するのではないかと予想していたので、いずれにも等倍以上が取れ、身代わりも突破でき、かつスカーフで止まらないノーマルZギギギアルを採用することにした。
当時はこちらより先に積みエースを展開されることを最も恐れていたため、ステロ撒きとしてはエーフィを恐れずに補助技を使え、起点回避も可能なかたやぶりクリムガンの起用が決まった。同じくかたやぶりでステルスロックが使え、ギロチンや岩石封じで起点回避ができるカイロスと比較すると、バクフーンに強い点も魅力だった。またジャロゴーリや受けサイクル専用のメタとしてラム持ちアグノム、催眠ZデンジュモクやポリゴンZ等の無起点でも積むことが可能なポケモン達へのストッパーとして最速スカーフポリゴンZを採用した。
ここまでの4匹はギギギアルやクレセローブ、ニンフィア、クレセ入りの受けサイクルに薄かったため、それらに強めなビルドアップローブシン、瞑想ニンフィアを加えた。
ギギギアルやクレセローブに勝ちうるポケモンは他にもいたが、インターネット大会における流行の把握に自信がなかったため単体性能が高そうな2匹をチョイスしている。
2.個別紹介
緑字は改良の余地あり、赤字は必須のもの。
クリムガン
持ち物:メンタルハーブ
性格:わんぱく
特性:かたやぶり
実数値:H183-A140-B133-C×-D110-S91
努力値:H244、B84、S180
技:ドラゴンテール、ステルスロック、へびにらみ、吠える
S
・麻痺したジャローダ抜き
・無振り70族+1
ステロ係。選出率は45戦中30戦(67%)で2位。
ギギギアルとの相性補完に優れている。耐久が高めでオノノクス、ニンフィア以外の相手にはへびにらみ+ステロを行うことができ、この2匹の前でならギギギアルが安全に積める。スカーフポリゴンZとはドラテ+ステロによる相手パーティ全体への削りと相手の選出の把握という点で相性がよい。この2匹は非常によく選出したためそれに釣られる形でこのポケモンの選出率も上がっていった。
一方、型については下記の通り疑問が残る部分も多かった。
・唯一の攻撃技が後攻技であるせいでへびにらみ→ステロの流れでクリムガンが生き残っても目の前の相手のタスキが削れない。
・壁貼りエーフィの不在→かたやぶりである必要性がない。
・先発に起用されるポケモンは特殊が多い→B振りが機能していない。
・ちょうはつを一度も打たれなかった→メンタルハーブの有用性が疑問。
この構築におけるクリムガンの仕事はステルスロックと吠える(orドラゴンテール)さえあれば基本的に完遂できるので、AS気味にしてダストシュート、ふいうち等を採用して起点にならないアタッカーとして運用しても面白かったのかもしれない。
ギギギアル
持ち物:ノーマルZ
性格:いじっぱり
実数値:H159-A167-B138-C×-D106-S116
努力値:H180、A252、B20、D4、S44
技:ギアソーサー、ギアチェンジ、ギガインパクト、ワイルドボルト
S
・ギアチェンジ後準速スカーフガブリアス抜き(6世代の名残)
選出回数は45戦中26回(選出率58%)で3位。耐性優秀ででんじはもそこまで痛くないので多くのポケモンの前で積むことができる。
ノーマルZはデンジュモクやステルスロックで削ったエンテイを落とすことができるため大変止まりにくい。
ワイルドボルトはスイクン等に打つために採用していたが打ちどころが少ない。ニンフィアのあくびを回避したりクレセリアのトリル+みかまいのメタになる身代わりが欲しくなることが多かった。ヘビにらみとも組み合わせやすいし。
ポリゴンZ
持ち物:こだわりスカーフ
性格:おくびょう
特性:てきおうりょく
実数値:H161-A×-B90-C187-D95-S156
努力値:H4、C252、S252
技:はかいこうせん、さわぐ、シャドーボール、れいとうビーム
前述の通り、ステロ+ドラテを行えるクリムガンとは相性がよい。
さわぐで無振りオノノクスを65%の乱1に捉える火力があり、このルール全体で鋼、岩、ゴーストの採用率が低かったため、相手の積みエースストッパーとしてのみならず単なる抜きエースとしてもかなり使いやすかった。
ギギギアルがカバルドンやバンバドロの選出を誘うので、こちらを一貫させやすく、ギギギアルとポリゴンZのどちらかが通せるパーティには読み不要で勝てる。
はかいこうせんはテクスチャーZを積んでしまったポリゴンZに打って全抜きを食い止めたり、辛い構築に初手投げして強引に1匹持って行ったりと少々乱暴ながら誤魔化しとして機能した。
ポリゴンZにおいてはとにかくノーマル技を打ち続けるのが強い動きであったので、残り2つの技は全く撃たなかった。ピンポイントで役に立つトリックやトライアタックなどでもよかったかもしれない。
選出回数はトップの45戦中34回(選出率76%)。基本的にローブシン入り以外に選出をとまどう理由がなかったため、選出率はとても高い。
アグノム
持ち物:ラムのみ
性格:おくびょう
実数値:H151-A×-B90-C177-D90-S183
努力値:H4、C252、S252
技:サイコショック、かえんほうしゃ、わるだくみ、挑発
ジャロゴーリ絶対殺すマン……のはずだったが、クリムガンとこのポケモン以外が軒並みオニゴーリに強いため影が薄い。ジャロゴーリに対してはアグノムを使うまでもなく4匹のうちどれかが通っていることが多く、それをクリムガンのステロと合わせて通しに行く動きを取ることも多かった。
こうした理由から選出回数は45戦中12回(選出率27%)と最下位だったものの、ユクシーやジャローダが入ったパーティ相手にはやはりよく働いてくれた。
ジャローダに対してはまず放射から入り、壁を貼られたらわるだくみ、へびにらみをされたらちょうはつで次の補助技を封じてわるだくみと選ぶことで、わるだくみを1度以上積んだ状態で相手の後続と対面できるため、とくによく刺さった。
放射はレジスチルに対して打つ技でもあり、ギギギアル、ポリゴンZのどちらも止められてしまい被選出率も高かったため、これに対して有効打を持てるのは便利であった。ジャローダやラッキーとともに採用されていたため、まとめて相手ができた。この点は同じく受けサイクルに対して選出していたニンフィアとうまく住み分けができていたように思う。
ジャローダについてはちょうはつのターンにリフストを選んでくる相手も多かったので、ひょっとしたらちょうはつは諸エスパーに有効なシャドーボールへ変更して選出しやすくした方がよかったかもしれない。
ニンフィア
持ち物:カゴのみ
性格:ひかえめ
実数値:H201-A×-B85-C149-D150-S107
努力値:H244、C52、S212
技:ハイパーボイス、いびき、めいそう、ねむる
S
・無振りクレセ+2
・最速ブシン抜き
Sは最速どくづきブシンを警戒してここまで割いた。クレセリアに対しては瞑想サイコショック型のためギギギアルに引かざるをえなくなったり、すぐに交代されたりと機能しなかったものの、ブシンには2度ほど居座られたものを処理できた他、ニンフィア同士の積み合いで有利が取れた。
選出回数は45戦中16回(選出率36%)で5位。ローブシン+固い炎()の並びが相手の場合、「クリムガンとニンフィアの並びでローブシンを流しつつ炎タイプにステロダメージを蓄積させてこのポケモンを一貫させる」というきわめて無理のある立ち回りをしていたため選出時の勝率が低い。不遇な存在であった。
カゴのみ眠るいびきというアンチシナジー気味な組み合わせは時間がなかったがゆえに生まれたキメラだが、上記の立ち回りをする際には重宝したので結果オーライ(?)。
ローブシン
持ち物:たべのこし
性格:いじっぱり
特性:てつのこぶし
実数値:H202-A211-B115-C×-D85-S75
努力値:H172、A252、S76、あまり8
技:ドレインパンチ、マッハパンチ、はたき落とす、ビルドアップ
S
・50族(ラッキー等)の上を取れるように。
選出回数は4位の45戦中17回(選出率38%)。ニンフィアよりちょっぴり高いのはクリムガン+ポリZorギギギアルの選出を行った際の3匹目として先制技を使えるローブシンの方が適していたため。こちらのポリゴンZを起点にしてくるギギギアルを止める仕事もあった。
対面性能が高いため頼りになったが、ローブシンやラッキーと対面することはなくその役割はニンフィアが担ってくれていたため、持ち物、技構成には改良の余地がある。
せいなるほのおで機能停止しないように根性にしたり、ちからずく珠ブシンにしてみたり、チョッキを持たせてみたり、ギギギアルが止まってしまう相手に強く出られる積みアタッカーであるオーダイルに変えてみたり。パーティ内での役割は薄めなため様々な変更が可能である。
努力値のあまり8はただの手違いであり意味はない。
3.重かった並び、ポケモン
・+
ステロを撒かせないポケモン+ギギギアルストッパーの並び。
クリムガン+ギギギアルの組み合わせに依存したパーティであり、裏選出も未熟であったため非常に重かった。
ギギギアルストッパーとしてはこの他吠えるスイクン、バンバドロなどがあるが、ポリゴンZも止めてくるエンテイやローブシンが一番難敵。
・(トリックルーム持ちはなおさら苦しい)++
クレセローブの並びにエンテイを加えたもの。クレセローブのみならニンフィアでいいが、エンテイにこれを止められるとサイクル負けしがち。クレセリアは基本的にギギギアルの起点だが、トリックルームだけは痛い。ギギギアルに身代わりが欲しかったところである。
・エンテイ
上二つで上げた通り、今回使用したパーティはエンテイが非常に重い。
対面から勝てるポケモンはおらず、クリムガンのステロで削ってポリゴンZかギギギアルの一貫を作るしか処理手段がない。
耐久無振りならステロがなくともギギギアルのギアチェンジ後のノーマルZで6割弱の確率で落とすこともできるが、こちらが成功したことはなかった。
体感ではレート1700を越えた辺りから急増しており、この辺りと組んだパーティをよく見た。トップメタの一角だったのだろう。
完全にノーマークであり、繁茂したこのポケモン入りのパーティとマッチングするたびに苦汁を飲まされることとなった。
終盤は半ばヤケクソであった。
・メタモン
ギギギアルを止めて来るので少々厄介。ラッキー、ローブシン、ジャローダなどのアグノムを出したくなるようなポケモンと組まれていることも多く、アグノムの選出率の低さの一因でもある。
このポケモンを見るだけでアグノム、ギギギアルの選出が封じられ、ポリゴンZも出しづらくなる。素早いポケモンで上から殴って勝つ、というシンプルな勝ち筋がなくなり、選出、立ち回りが難しかった。
こちらもエンテイ同様完全に存在を失念しており、初めて見た時にはかなり動揺した覚えがある。
4.戦績と反省点
最高1746、最終レートは1700ちょっと。
↑このあと1勝1敗。
早い段階から1700を越えることができた。よく知らないが、こうしたネット大会における1700というのは結構な高レートだと聞いているのでとてもうれしい。
また、シングルにていわゆるヤケモン振り以外のポケモンを使うのはシーズン3でグソクムシャを使ったとき以来で新鮮であった。3日で45戦というのはけっこうハードなのだが、最後まで集中力を切らさず臨めたのはポリゴンZやギギギアルの豪快な性能のたまものであろう。
一方、構築の完成度においては強いポケモンをシナジーを考えずただ詰め込んだだけの程度の低いものとなってしまった感は否めない。
1.個別紹介で述べた通り、主軸であるはずのギギムガン()2匹の型の完成度がいまいちだったこと。ちょうはつ、マジックミラーなどの細かい部分を警戒しすぎ。
2.上の並びに依存しすぎ、これが通らない相手に対する選出パターンがなかったこと。別の積みアタッカーなり、サイクルを回せる裏選出なりを用意すべきだった。
3.エンテイの流行を予想できなかったこと。デンジュモクを恐れて水タイプは採用しなかったが、ストッパーとしてポリゴンZがあるのだから躊躇する理由はなかった。
4.アグノムが出せる構築=ギギギアルやポリZが通るため、アグノムがパーティ内で浮いてしまったこと。ふゆうだけに。
この辺りは改善を要する部分である。
おわり。
<ここまで読んでくれてありがとう!
追記
順位は79位。欲をいえば50位以内に入りたかった……。
メンタルハーブやかたやぶりの割合から推測するに、クリムガンの使用者は6人だったようである。